「オーガニックコットン」という言葉を耳にする機会が増え、環境や人体に優しい素材として注目されています。しかし、一般的なコットンと何が違うのか、どのようなメリットがあるのかといった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、オーガニックコットンの定義やメリット・デメリット、そして賢い選び方までを分かりやすく解説します。本記事を読むと、価値あるオーガニックコットン製品を見つけるための知識が身につきます。
オーガニックコットンとは?一般的なコットンとの違いは3つ

オーガニックコットンとは、3年以上農薬や化学肥料を使っていない農地で、化学肥料や農薬を使わずに栽培された綿花を指します。ここでは、一般的なコットンとの主な違いを3つのポイントで解説します。
1.栽培方法の違い
一般的な綿花栽培では、害虫駆除や収穫を効率化するために大量の農薬や化学肥料、枯れ葉剤が使用されます。一方、オーガニックコットンはこれらの化学薬品を一切使わず、有機肥料や手作業で丁寧に栽培されているのが特徴です。
これにより、土壌や水質への汚染を軽減し、農地本来の力を保てます。
2.生産者の労働環境への配慮
一般的な綿花栽培では、農薬による健康被害や児童労働といった社会的な問題が指摘される場合があります。しかし、オーガニックコットンは、栽培農家や工場で働く人々の健康と安全、そして公正な賃金や労働条件を守ることに重点が置かれています。
GOTS(Global Organic Textile Standard)などの国際認証は、こうした労働環境の基準も設けているのです。
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3.製品化プロセスにおける配慮
オーガニックコットン製品は、綿花から最終的な製品になるまでの紡績、染色、縫製といったすべての製造工程においても厳しい基準が設けられています。漂白剤や化学染料の使用を最小限に抑えると、環境負荷を低減し、製品が消費者の手に届くまでより安全な状態を維持できるでしょう。
製品に「つぶつぶ」が見られる場合がありますが、これは化学処理をしないので残った綿花の葉や茎の残りであり、自然の風合いを示すものです。
オーガニックコットンのメリットは4つ

オーガニックコットン製品を選ぶ場合は、環境や社会に貢献するだけでなく、使用者自身にもさまざまなメリットをもたらします。
しかし、通常のコットン製品とは異なる注意点も存在します。ここでは、その両方を解説します。
1.肌への優しさ
オーガニックコットンは、栽培から製品化までの工程で化学薬品の使用を最小限に抑えています。そのため、肌への刺激となる残留物が少なく、肌に優しい素材です。
また、繊維の先端が丸みを帯びているため、摩擦や刺激が少なく、敏感肌の方やデリケートな赤ちゃんの肌にも安心して使用できると考えられます。
2.優れた吸水性・通気性
オーガニックコットンは、綿花が完熟した状態で収穫され、化学処理を最小限に抑えて製造されています。このため、綿本来が持つ優れた吸水性・通気性が保たれており、汗やムレをほどよく吸収し、快適な着心地が持続します。
特に湿度の高い季節や、運動時にも肌をサラサラに保ちやすく、快適な状態を維持するのに役立つでしょう。
3.環境負荷の軽減
オーガニックコットンの栽培では、農薬や化学肥料の使用を大幅に削減できるため、土壌や水源の汚染を防ぎ、生態系への影響を最小限に抑えられます。これにより、地球環境にかかる負担を減らせます。
また、収穫後の加工工程においても、環境に配慮した方法が採用されており、製品のライフサイクル全体を通じて持続可能な社会の実現に貢献するでしょう。
4.生産者支援への貢献
オーガニックコットン製品を選ぶと、化学薬品による健康被害のリスクから生産者を守ることにつながります。また、公正な賃金や労働条件のもとで働く人々を支援する活動にもつながり、児童労働といった社会的な問題の解決にも貢献します。
消費者の選択が、社会全体をより良い方向に導く一歩となり、持続可能なサプライチェーンを築く手助けになるでしょう。
オーガニックコットンを選ぶ際の注意点は2つ

次は、オーガニックコットンを選ぶ際の注意点について解説します。それぞれの詳しい内容についてみていきましょう。
1.価格が高くなる傾向
オーガニックコットンは、手間と時間をかけて丁寧に栽培されるため、生産量が少なくなりがちです。また、農薬や化学肥料を使わない分、栽培管理に人手がかかる場合も価格が高くなる一因です。
そのため、通常のコットン製品に比べて価格が高くなる傾向があります。しかし、環境や生産者、そして自身の肌に優しいという付加価値を考えると、その価格は単なるコストではなく、未来への投資と捉えられるでしょう。
2.カラーバリエーションの少なさ
オーガニックコットンの製造過程では、漂白剤や化学染料の使用を極力控えるため、一般的なコットン製品に比べてカラーバリエーションが限られる傾向があります。天然染料を使用したり、綿花本来の色合いを活かしたりする製品が多いため、ナチュラルで柔らかな色味が主流となります。
鮮やかな色や多様なデザインを求める人には物足りなく感じるかもしれませんが、素材本来の風合いや自然な色合いを楽しめるでしょう。
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オーガニックコットンとはでよくある3つの質問

オーガニックコットンでよくある質問を3つご紹介します。それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
質問1.オーガニックコットンの認証マークはありますか?
オーガニックコットン製品の信頼性を判断する上で、認証マークは非常に重要な目安となります。代表的なものとして「GOTS(Global Organic Textile Standard)」と「OCS(Organic Content Standard)」の2つがあります。
これらの認証は、綿花の栽培だけでなく、製造・加工から流通までのすべての工程において、環境的・社会的な基準を満たしていることを証明しています。製品を選ぶ際は、これらの認証マークが付いているか確認するのがおすすめです。
質問2.オーガニックコットンは洗濯にコツはありますか?
オーガニックコットン製品は、化学処理を最小限に抑えているため、一般的なコットン製品よりもデリケートな場合があります。洗濯の際は、漂白剤や蛍光剤の入っていない中性洗剤を使用するようにしましょう。
タンブラー乾燥は避けて、自然乾燥させるのがおすすめです。また、製品によっては、洗濯による多少の縮みや色あせが見られる場合があります。長く愛用するためにも、製品の洗濯表示を必ず確認し、優しくお手入れしましょう。
質問3.オーガニックコットンと再生コットンの違いは?
オーガニックコットンと再生コットンは、どちらも持続可能性(サスティナブル)に配慮した素材ですが、その定義は異なります。オーガニックコットンは栽培方法に焦点を当てたもので、化学薬品を使わない有機栽培で育てられた綿花です。
一方、再生コットン(リサイクルコットン)は、紡績工場や縫製工場で廃棄される裁断くずや落ち綿などを再利用して作られる素材です。それぞれ異なるアプローチで環境負荷の低減を目指しており、両者を組み合わせた製品も存在します。
なお、アップサイクルとリサイクルの違いが知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
関連記事:アップサイクルとは?リサイクルとの違いやメリット・デメリットを詳しくご紹介します! – CLALAFOR
まとめ

オーガニックコットンは、単なる素材ではなく、環境と人々の健康、そして持続可能な社会への配慮が詰まった価値ある選択です。一般的なコットンとの違いを理解し、認証マークの確認や適切な手入れ方法を実践すれば、その魅力を最大限に享受できます。
また、オーガニックコットンだけでなく、リサイクル素材など、地球に優しいさまざまな選択肢が増えています。消費者が意識してこうした製品を選ぶことが、より良い未来を築く第一歩となるでしょう。
なお「CLALAFOR」では、トウモロコシから作られた生分解性のリサイクルポリエステル素材のニットを使用し、サスティナブルなスローウエアを提供しています。⇒CLALAFOR(クララフォル)はこちら