日常の買い物で「エシカル消費」を意識したいと思っても、どの商品が環境や社会に配慮されているのか判断するのは難しいものです。そんなとき頼りになるのが「エシカル消費マーク(認証マーク)」です。
本記事では、日本でよく見かけるエコマークやフェアトレード認証ラベルをはじめ、持続可能な社会づくりに貢献するための認証マーク20選を徹底解説します。「エシカルな選択」をサポートする認証マークの知識を身につけて、より意識的な消費生活を始めましょう。
エシカル消費マーク(認証マーク)とは?

エシカルマークは、商品やサービスが環境や社会に配慮していることを示す認証の一種です。第三者機関による厳正な審査を経て、一定の基準を満たしたものにのみ付与されるため、信頼性の高い指標として消費者に選ばれています。
すべての良質な商品にマークがあるわけではありませんが、選択肢に迷ったときの判断材料として有効です。こうした認証を意識して購買行動をとるれば、企業の持続可能な取り組みを後押しする力にもなります。
エシカル消費マーク20選
日常生活で目にする機会も増えてきたエシカル消費マークですが、その意味や背景を知れば、より意識的な選択ができるようになるでしょう。ここでは、日本国内外で見かける代表的なエシカル消費マーク20選をご紹介します。
1.エコマーク

参考:エコマーク
「ちきゅうにやさしい」のマークは、商品が環境への配慮をもって作られ、使用後の処分までを含めたサイクル全体で負荷を軽減していると示すものです。人の手で地球を包むデザインが印象的で、キッチン用品や文具、日用品などでよく見かけます。
表示されている商品は、カテゴリーごとに定められた基準をクリアしており、環境保全への具体的な取り組みを反映しています。このマークを目印に選ぶと、消費者自身も持続可能な社会づくりに貢献できるでしょう。
2.再生紙使用マーク

参考:再生紙使用マーク
再生紙使用マークは、古紙を活用して作られた製品に付けられる目印で、配合率が明記されているのが特徴です。誰でも自由に使用でき、申請手続きは必要ありません。
トイレットペーパーやノート、封筒など、身近な製品で多く見かけるこのマークは、資源の有効活用やごみの削減に貢献するものとして位置づけられています。こうした製品を選ぶと「つくる責任・つかう責任」などのSDGs目標の達成にもつながります。
3.FSC®認証

参考:FSC®認証
FSC認証は、森林資源を持続的に利用するために設けられた国際的な制度で、FSC®(森林管理協議会)によって運営されています。認証を受けた製品には、厳しい基準を満たした森林から生産された木材が使用されており、森林の保全と生産者の生活向上の両立を目指しています。
紙コップやコピー用紙など身近な製品にもこのマークがあり、選ぶと地球環境への配慮やSDGsの達成に寄与できます。責任ある消費行動の一歩として注目されています。
4.バイオマスマーク

参考:バイオマスマーク
バイオマスマークは、植物や動物などの再生可能な資源を原料に使用し、一定の品質と安全性を満たしている商品につけられる認証です。バイオマス資源は枯渇の心配が少なく、環境負荷を抑えた製品づくりに役立ちます。
このマークが付与されるには、製品中に含まれるバイオマスの割合が乾燥重量で10%以上あることが必要です。レジ袋や食品容器など日常的に使うものにも多く見られ、地球温暖化防止や資源循環の推進に貢献しています。
5.グリーンマーク

参考:グリーンマーク
グリーンマークは、古紙を積極的に活用した製品に付けられる認証で、紙資源の有効利用を推進する役割を担っています。基本的に原料の40%以上が古紙であるのが条件ですが、トイレットペーパーなど一部製品では100%が求められる場合もあります。
マークには木のイラストが描かれており、リサイクルを意識した消費行動を促すシンボルとして広く使われています。環境負荷の軽減や資源循環に貢献する選択肢として、私たちの暮らしに根付いているでしょう。
6.レインフォレスト・アライアンス認証

レインフォレスト・アライアンス認証は、環境保全・社会的公正・経済的持続可能性の3要素を満たす農園で生産された商品に付与されるマークです。バナナやコーヒー、カカオなどの農産物に広く見られ、森林保護や気候変動への配慮、労働者の権利保護にもつながる仕組みです。
マークに描かれた緑のカエルは、生態系の健全さを示す象徴として選ばれており、豊かな自然と調和した農業の証でもあります。持続可能な社会づくりへの一歩として注目されています。
7.植物油インキマーク

参考:植物油インキマーク
植物油インキマークは、再生可能な資源である大豆油やパーム油などの植物由来原料を使ったインキに付けられる認証です。石油系資源に頼らず環境負荷を軽減する取り組みとして注目されており、印刷物にもこのマークが表示される場合があります。
使用条件としては、インキ中に一定割合以上の植物油またはそのエステルが含まれている必要があります。持続可能な印刷の選択肢として、環境保護や資源循環への意識を高める手助けとなるでしょう。
8.間伐材マーク

参考:間伐材マーク
間伐材マークは、森林を健全に育てるために行う間伐で得られた木材を使った製品に付けられる目印です。間伐は、木々の成長を促し森林の環境を整える重要な作業であり、そこで生じた資源を無駄にせず製品化すると自然保護に貢献します。
マークの付いた商品には、割り箸や紙コップなどがあり、日常生活の中で森の循環を意識するきっかけになります。資源の有効活用を通じて、持続可能な社会の実現を支える取り組みの一つです。
9.RSPO認証マーク

参考:RSPO認証マーク
RSPO認証は、持続可能な方法で生産されたパーム油を使用している製品に付けられる認証マークです。パーム油は多くの食品や日用品に使われていますが、無秩序な生産拡大による森林破壊や生態系の崩壊、労働環境の問題が深刻化しています。
RSPO認証は、環境保全と人権尊重の両面に配慮した生産体制が整っていると証明します。このマークのある商品を選べば、消費者も地球環境や社会課題の改善に貢献する一助となります。
10.牛乳パック再利用マーク

参考:牛乳パック再利用マーク
このマークは、使用済み牛乳パックをリサイクルして製造された製品に付けられる環境配慮の証です。市民の声をきっかけに誕生し、再資源化の促進を目的としています。
原料の一部またはすべてに牛乳パックを使用し、認定工場で処理され、製造工程においても環境への影響が抑えられていることが条件です。トイレットペーパーやノートなど、身近な製品に広がっており、限りある資源を無駄にしない社会づくりを後押ししています。
11.有機JASマーク

参考:有機JASマーク
有機JASマークは、化学農薬や合成肥料に頼らず、自然のしくみを活かして生産された食品に与えられる認証です。農産物だけでなく、加工食品や畜産物も対象で、厳しい基準を満たしたものに限り表示が許されています。
このマークがない商品に「オーガニック」などの記載は日本では法律で禁じられており、消費者が誤認しないよう制度が整えられています。環境への配慮と安全性の観点からも、信頼できる目安といえるでしょう。
12.COSMOS認証

参考:COSMOS認証
COSMOS認証は、化粧品の原料から製造工程、包装に至るまで、環境や人の健康に配慮した基準を満たしていると示す国際的な認証制度です。このマークが付いた製品は、天然由来成分の使用や動物実験の回避など、持続可能性を重視した姿勢が反映されています。
オーガニックコスメやスキンケア用品の信頼性を裏付ける指標として、世界中で広く活用されており、安心して選べる商品の判断材料にもなります。
13.GOTS認証

参考:GOTS認証
GOTS認証は、オーガニック繊維製品が環境や人権に配慮して作られているのを示す国際的な基準です。コットンや麻、ウールなどの原料が、製品として流通するまでの全工程で厳しい管理が行われており、70%以上がオーガニックであると求められます。
また、児童労働の禁止や安全な労働環境の確保など、社会的責任にも重点が置かれているでしょう。持続可能な消費を促すこの認証は、世界中で信頼されるマークとして広がりを見せています。
14.フェアトレード認証ラベル

参考:フェアトレード認証ラベル
フェアトレードは、開発途上国の生産者が経済的に自立し、安定した生活を送れるよう支援する国際的な取り組みです。適正な価格で継続的に原料や製品を購入することで、不平等な取引構造の是正を目指しています。
フェアトレード認証ラベルが付いた商品には、コーヒー、カカオ、茶、コットンなどがあり、購入を通じて生産者の労働環境の改善や地域の発展にもつながります。消費者としての選択が、より良い社会の実現に貢献できる仕組みです。
15.MSC「海のエコラベル」

参考:MSC「海のエコラベル」
MSC「海のエコラベル」は、環境への負荷を抑えながら水産資源を守る漁業で獲られた魚介類に付けられる認証マークです。このラベルがある商品は、水産資源の持続可能性、生態系への影響の最小化、そして適切な漁業管理体制という3つの基準をクリアしています。
MSCは国際的な非営利団体として、未来の世代にも海の恵みを残す目的で活動しています。消費者がこのマークを選ぶと、海の環境保全につながるでしょう。
16.ASC

参考:ASC
ASCマークは、持続可能で責任ある養殖によって生産された水産物に与えられる国際認証です。環境保護と社会的責任な両立を目的としており、水質の管理や生態系への影響軽減、地域社会や労働者への配慮など、厳格な基準をクリアした養殖場のみが対象となります。
ASC認証の付いた製品は、鮮魚や加工食品、缶詰など幅広く展開されており、消費者が持続可能な選択をするための重要な指標となっています。
17.MEL

参考:MEL
MEL(マリン・エコラベル)は、日本で開発された水産物の持続可能性を証明する認証制度です。漁業や養殖業において、資源の保全や環境への配慮がきちんと実施されているかを第三者が評価し、基準を満たした事業者に与えられます。
適正な資源管理や生態系保護の取り組みが認められた製品にこのマークが表示され、主に鮮魚や水産加工品、缶詰などで確認できます。安心して選べる国産水産物の目印として広がりを見せているマークです。
18.エコレールマーク

参考:エコレールマーク
エコレールマークは、鉄道を活用した環境配慮型の貨物輸送を行っていることを示す認証です。一定の距離と輸送量において、全体の輸送のうち30%以上を鉄道で行っている企業が対象となり、鉄道を使うことでCO₂排出量の削減に貢献しています。
また、輸送距離が短い場合でも、環境への取り組みが一定基準を満たしていれば認定される仕組みです。このマークは、持続可能な物流を選ぶ消費者にとって信頼の証となります。
19.GAP認証

参考:GAP認証
GAP認証は、持続可能な農業の実践状況を第三者が確認し、一定の基準を満たした農場に与えられる認証制度です。環境への配慮や労働の安全性、衛生管理など、農業経営全体が評価の対象となります。
取得は義務ではありませんが、農産物の信頼性や生産体制の透明性を示す手段として有効です。消費者や取引先にとって、安全で責任ある農業を行っている証として判断材料となるので、近年注目が高まっています。
20.ノウフクJAS

参考:ノウフクJAS
ノウフクJASマークは、障がいのある方々が食品の生産工程に関わっていると認証する制度で、社会的包摂を評価する農林水産省の公式な基準です。従来のJAS規格が求める「均一性」とは異なり、多様性を前提に、人と人とのつながりや地域の取り組みに価値を置いています。
生産の背景にある人の関わりを可視化し、農業と福祉が連携した取り組みを支えるこのマークは、商品選びの新たな視点を提供します。
サスティナブルなスローウエアブランド「CLALAFOR」のご紹介

「CLALAFOR」は、美しい瀬戸内海の港町で、2022年に生まれたばかりのサスティナブルなスローウエアブランドです。人体や環境に有害な化学物質を使用しておらず、倉敷染という繊維加工の安全認定も取得しています。
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エシカル消費 マークでよくある3つの質問

エシカル消費マークについて、多くの方が疑問に思う点を紹介します。
質問1.エシカル消費の具体的な消費や行動例は?
インターネットの普及により、世界中の品物が手軽に手に入る一方で、輸送による環境負荷や地域経済の縮小といった課題も浮き彫りになっています。こうした中で注目されているのが、フェアトレード商品や寄付つき商品、障がい者支援商品など、購入を通じて社会に貢献するエシカルな選択です。
特に「地産地消」や「応援消費」といった地域を大切にする行動は、環境負荷を抑え、伝統や文化を守りながら地域社会を活性化させる力を持っています。
関連記事:エシカルファッションとは?取り入れるメリット・デメリットや選ぶ際のポイントをご紹介! – CLALAFOR
質問2.エシカルとSDGsの関係性は?

エシカル消費は、社会や環境に配慮した選択をすして、持続可能な未来の実現に貢献する行動です。国際的な指標であるSDGsとも密接に関連しており、特にSDGs目標12「つくる責任 つかう責任」はその中心的なテーマです。
製品がどのように作られ、誰の手を経て私たちの元に届くのかを意識しながらの購入は、企業の姿勢を変える力にもなります。日々の選択が地球や社会に与える影響を考えることが、未来への責任ある一歩となります。
質問3.エシカル消費の3つの柱とは?
エシカル消費の3つの柱は、私たちの選択が社会や地球に与える影響を考慮する上で重要な指針となります。具体的には以下の3つです。
・ 人・社会への配慮
発展途上国では多くの方が劣悪な環境で低賃金労働を強いられており、児童労働も深刻な問題です。5〜17歳の子どもの約4人に1人が労働を強いられているという現実があります
・地域への配慮
オンラインショッピングの普及により、地域の小さな商店が衰退する傾向にあります。地元での買い物を意識することで、身近なコミュニティを守り、地域経済の活性化に貢献できるでしょう。
・環境への配慮
大量生産・大量消費・大量廃棄の生活様式は、地球温暖化や海洋汚染の原因となっています。また、効率重視の農業による農薬使用は生態系に悪影響を及ぼします。環境負荷の少ない製品選びが地球環境保全につながります。
まとめ

本記事では、エシカル消費を実践する際の指標となる「エシカル消費マーク(認証マーク)」について解説しました。認証マークを理解し、意識的な選択を重ねれば、地球環境の保全や社会課題の解決に貢献できると覚えておきましょう。
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