企業経営において「人的資本経営」の重要性が高まっています。これは、働く人を資本ととらえ、投資を行うことによって、その能力を最大限に引き出すことで、企業価値の向上を目指す経営論です。こうした背景から注目されているのが「ウェルビーイング」です。
ウェルビーイングとは、社会と健全なつながりを持ち、心身ともに良好な状態にあること。人のモチベーションや生産性は、職場や仕事に対する満足度・幸福度と密接な関係にあるため、人事戦略として社員のウェルビーイング向上に取り組む企業が増えつつあるのです。
特にミレニアル世代やZ世代は、働き方や仕事に対する価値観が前世代と大きく異なり、ウェルビーイングをとても重視します。社会貢献に対する意識が強く、滅私奉公ではなく、自分らしさを大切にした中で、自らの力を発揮したい、と考える傾向があるのです。ウェルビーイングに力を入れる企業は、多くの人がそこで働きたい、と考えるようになります。その結果、企業ブランドが構築され、優秀な若手人材の採用活動でも、優位に立つことができるでしょう。
またウェルビーイングが高い人ほど継続就業意向が高く、創造性や生産性が高いこともわかっています。企業が持続的な成長を目指す上でも、ウェルビーイングは重要な要素なのです。ファッション界においても、Z世代を中心に、メンタルヘルスの支援活動やダイバーシティに特化したクリエーターのサポートが盛んです。『ウェルビーイングな服』とは、勝負服のような、着るだけで元気になる服なのです。
色が派手で元気というわけではなくて、黒や紺のようなシンプルな配色でも、風合いがかわいかったり、ディテールが素敵だったりといったような、細かいところまで意思が行き届いている服なのです。例えばデニムに拘りのある方なら、ビンテージもののジーンズにダメージ加工のある倉敷染めをコーディネートすれば『ウェルビーイングな服』が仕上がるかもしれません。