近年、サステナビリティへの関心が高まる中、廃材や不要になった素材を新たな価値あるアイテムとして蘇らせる「アップサイクルバッグ」に注目が集まっています。
素材の個性やストーリーが詰まった一点物から、機能性とデザイン性を両立した製品まで、多彩なラインナップが魅力です。
本記事では、アップサイクルバッグの定義や主な素材・製法、選び方のポイントや代表的なブランドを解説します。環境にやさしいファッションを選びたい方や、個性的なバッグを探している方はぜひ参考にしてください。
アップサイクルバッグとは?

アップサイクルバッグとは、本来であれば廃棄される運命にあった素材や製品に新たな価値を加え、全く別のバッグとして生まれ変わらせるアイテムです。リサイクルが原料として再利用するのに対し、アップサイクルは素材の特徴や個性を活かしたまま、付加価値を高めて再生する点が特徴です。
たとえば、古着のデニムや廃棄予定のレザー、使い終わった工場の端材などがアップサイクルバッグの材料として用いられます。これにより、環境負荷の低減や廃棄物削減だけでなく、素材ごとに異なる一点物の魅力も生まれます。
近年では、環境意識の高まりとともに、アップサイクルバッグはサステナブルなライフスタイルを志向する人々から注目を集めています。
アップサイクルバッグの主な素材と製法

アップサイクルバッグには、従来なら廃棄されていたさまざまな素材が活用されています。代表的には、非食用の古米や米菓製造時に発生する破砕米、廃棄される卵殻や茶殻、石灰石、さらに非食用トウモロコシ由来のバイオプラスチックなどです。
これらは下記のような特徴を持ちます。
素材 |
特徴 |
古米・破砕米 |
食用に適さないお米をプラスチック原料として再利用 |
卵殻 |
廃棄卵殻をバイオマスプラスチック化し、国産素材として活用 |
茶殻 |
お茶の香りや消臭・抗菌効果を活かしたバッグ |
石灰石 |
プラスチック代替の新素材で、コスト面や環境負荷も低減 |
トウモロコシ |
石油原料の一部を非食用トウモロコシ原料で置換したエコ素材 |
製法としては、これらの廃棄素材をペレット状などに加工し、新たな樹脂やフィルムと混合することでバッグ素材に生まれ変わらせています。廃棄物の選別や衛生面にも配慮され、用途やデザインに合わせて成形・縫製されている点が特徴です。
関連記事:アップサイクル製品の特徴やメリット・デメリットもご紹介! – CLALAFOR
アップサイクルバッグの選び方とポイント

アップサイクルバッグを選ぶ際は、機能性やデザインだけでなく、素材やブランドの理念も比較することが大切です。選び方のポイントを解説します。
機能性・デザイン性で選ぶ
アップサイクルバッグを選ぶ際は、機能性とデザイン性の両立が重要です。日常使いには収納力や耐久性、防水性などの実用性が求められます。
同時に、デザイン面でも自分のファッションやライフスタイルに合ったものを選ぶと、長く愛用できます。アップサイクル素材ならではの独自の風合いやカラーが特徴的で、他にはない一点物にも出会えるのが魅力です。
見た目と使い勝手のバランスを意識して選びましょう。
使用シーンやサイズから考える
アップサイクルバッグは用途やシーンに応じて選ぶことが大切です。通勤や通学にはA4書類が入るトートタイプ、買い物用には大容量のエコバッグ、アウトドアには耐久性や防水性の高いリュックなど、使う場面を想定して最適なサイズ・形状を選びましょう。
コンパクトなポーチやサコッシュも、サブバッグとして重宝します。使用目的を明確にすると、より満足度の高いバッグ選びが可能になります。
ブランドの理念・ストーリーにも注目
アップサイクルバッグを選ぶ際には、ブランドが掲げる理念やストーリーにも注目しましょう。多くのブランドは、廃棄物削減や社会課題解決などへの思いを形にしています。
製造背景や素材の由来、職人の技術、地域活性化への取り組みなど、ブランドがどのような価値を提供しているのかを知れば、単なるファッションアイテム以上の意味を持つバッグ選びができます。
共感できるブランドを選ぶと、長く愛用できる一品となります。
関連記事:日本企業のアップサイクル事例10選|アップサイクルのメリット・デメリットもご紹介!
代表的なアップサイクルバッグブランド3選

近年注目を集めるアップサイクルバッグ。ここでは、環境配慮とデザイン性を兼ね備えた代表的なブランドをご紹介します。
1.PLASTICITY(プラスティシティ)

参考:PLASTICITY
PLASTICITYは、廃棄される傘のビニール素材を主にリサイクルし、個性的で機能的なバッグを製造している日本発のアップサイクルブランドです。水に強く耐久性のある素材を活かしたバッグは、デイリーユースはもちろん、アウトドアやビジネスシーンにもマッチします。
捨てられるはずだった素材に新たな価値を与えることで、環境問題への意識を広める活動も積極的に行っています。
2.AIRPAQ(エアパック)

参考:AIRPAQ
AIRPAQはドイツ発のブランドで、廃車となった自動車のエアバッグやシートベルトを再利用し、リュックやトートバッグなど多彩なアイテムを展開しています。
エアバッグの高い耐久性と独特なデザイン性が特徴で、ひとつひとつ模様や風合いが異なるため、一点物ならではの雰囲気が人気です。サステナブルな生活を提案しつつ、見た目もユニークなプロダクトが評価を集めています。
3.UPCYCLE LAB

参考:UPCYCLE LAB
UPCYCLE LABは、さまざまな廃材や不要となった素材をアップサイクルして、新しいバッグを作り出すブランドです。使用する素材は、産業廃棄物から日常生活で出る廃品まで多岐にわたり、それぞれの素材の特性を活かしたデザインを追求しています。
持続可能なものづくりを通じて、環境への負荷を減らしながら新たな価値を創造する姿勢が支持されています。
サスティナブルなスローウエアブランド「CLALAFOR」のご紹介

「CLALAFOR」は、美しい瀬戸内海の港町で、2022年に生まれたばかりのサスティナブルなスローウエアブランドです。人体や環境に有害な化学物質を使用しておらず、倉敷染という繊維加工の安全認定も取得しています。
また、トウモロコシから作られた生分解性のリサイクルポリエステル素材のニットを使用しており、持続可能なファッションの選択肢として、快適なスローウエアを提供しています。⇒CLALAFOR(クララフォル)はこちら
アップサイクル バッグでよくある質問3つ

アップサイクルバッグに関してよく寄せられる質問を、わかりやすく解説します。
質問1.アップサイクルバッグの耐久性はどうですか?
アップサイクルバッグの耐久性は使用される素材によって異なりますが、一般的に高い耐久性を持つものが多いです。特に、トラックシートやセイル(帆)、消防ホースなど元々過酷な環境で使用されていた素材から作られたバッグは、耐水性や摩擦耐性に優れています。
また、製造過程で補強処理が施される商品も多く、通常のバッグと同等以上の耐久性を実現しています。ただし、購入前には素材の特性や縫製方法をチェックし、用途に合った耐久性を持つ製品を選びましょう。
質問2.アップサイクルバッグは価格帯によってどのような違いがありますか?
アップサイクルバッグの価格帯は、5,000円程度の入門モデルから10万円を超える高級ラインまで幅広く存在します。価格差の主な要因は、素材の希少性、製造工程の複雑さ、ブランド力です。
低価格帯ではリサイクル素材を一部使用した量産型が多く、中価格帯(1〜3万円)になると素材の組み合わせや製法にこだわった個性的なデザインが増えます。
高価格帯では、ヴィンテージ素材や限定素材を使用した一点物や、職人による手作業が多い製品が中心となり、素材の履歴や製作ストーリーも価値に含まれています。
質問3.アップサイクルバッグを購入すると、どのような環境貢献ができますか?
アップサイクルバッグの購入は、複数の環境貢献につながります。まず、廃棄予定だった素材を再利用することで、埋立地やゴミ焼却施設への負担を軽減します。
また、新たな原材料の採取や製造が不要になるため、CO2排出量の削減や水資源の保全にも効果的です。さらに、アップサイクル製品を選べば、サステナブルなビジネスモデルを支援し、循環型経済の促進にも貢献できます。
まとめ

本記事では、サステナブルな選択として注目を集める「アップサイクルバッグ」について詳しく解説しました。廃棄される予定だった素材に新たな価値を与えるアップサイクルの概念から、バッグ製作に使われる主な素材や製法、そして選び方のポイントやブランドまで紹介しています。
アップサイクルバッグを選ぶと、単なるファッションの選択を超え、環境への配慮と持続可能なライフスタイルへの一歩となります。日常使いのアイテムを通じて、資源の循環と創造的な再利用の可能性を体感してみてはいかがでしょうか。
なお「CLALAFOR」では、トウモロコシから作られた生分解性のリサイクルポリエステル素材のニットを使用し、サスティナブルなスローウエアを提供しています。⇒CLALAFOR(クララフォル)はこちら